私は40歳の会社員です。
妻は1歳年下の39歳で、妻とは略奪愛の末、結婚しました。
ただ、少し変わった略奪愛でした。
妻とは生まれた家が隣同士で、いわゆる幼馴染でした。
ただ、恋愛感情などはなく、ある程度の年齢になると、一緒に遊ぶこともなく、自然と各々の進路を進んでいきました。
転機は10年前でした。
転勤で、実家に戻ってきた私は、久しぶりに妻と再会しました。
当時の妻は、結婚しており、実家から少し離れたところのアパートに住んでいました。
私はてっきり、幸せな結婚生活なのだと思っていましたが、そうではなく、相手の男性は、雑貨屋を個人で営んでいたのですが、経営は上手くいっておらず、また酒好きで、結構な額の借金があったようです。
妻は私に会っても、生活の苦労は語らず、逆に私の結婚の心配をしてくれたりしていたのですが、彼女の父は違いました。
最初から結婚には反対だったらしく、甲斐性のない義理の息子に我慢がならなかったそうです。
ある日私を訪ねて来て、言いました。
「あのバカ野郎な亭主と別れさせるから、うちの娘を嫁にしてくれないか」私は驚きました。
彼女は婚姻中ですし、そもそも私のことを好きかどうかすら分かりません。
素直にそう答えると、オジサンはニヤリと笑い、言いました。
「そこは心配しなくていいから。
とにかくもらってくれるかだけ教えてくれ」当時の私は、彼女もいませんでしたし、彼女にその気があるなら結婚しますと返答しました。
実は彼女と再会した私は、密かに彼女に恋をしていました。
もし実現するなら、喜んでという気持ちでした。
その、何が起こったのかよくわかりませんが、オジサンの暗躍により、妻は離婚し、実家に帰ってきました。
夫だった男性のお店は閉店し、アパートも引き払い、いつの間にかいなくなったそうです。
オジサンが借金を整理し、返済することで、手切れ金代わりにして、二度と妻に近寄らないことを約束させたそうです。
離婚が正式に成立した後、私たちは付き合うことになり、半年後に結納を行い、1年後に入籍しました。
今でもキツネにつままれたような展開ですが、ただただ義父には感謝しています。
略奪愛にしては、他人のお膳立ての末という感じで、少し間が抜けていますが、これが私の略奪愛体験談です。
コメント