当時大学2回生でした。
友達も多くでき、そしてその中でもとても仲の良い信頼できる男友達とほぼ毎日一緒に大学生活を送っていました。
そんなある時、その友達が彼女が出来たと僕に紹介してくれました。
その交際相手は同じ大学の先輩にあたる人でした。
初めてその方を見た時に、今思えば恋をしていたのかもしれません。
その方は身長がとても高く、スタイルの良いモデル体型で、それに加え頭もよく、悪い所がなかなか見えませんでした。
そんな彼女を持てて本当に友達のことを羨ましく、妬ましく思いました。
友達の彼女に思ってはいけないことだと思いますが、また会いたいな、とそんなことが頭の中から離れませんでした。
その思いが通じたのか、ある曜日の講義でその彼女とばったり遭遇しました。
どうやら同じ講義をとっていたみたいです。
おっしゃと心の中で叫んでいた自分がそこにいました。
ただ彼女は僕の大切な友達の恋人。
そんな複雑な思いも同時に僕の中に潜んでいました。
自分が彼女を好きになるのは良くないと当時の僕は感じ、そしてそこで出した答えが彼女に自分を好きになってもらう、というものでした。
これなら罪悪感も少しはマシになり、心にゆとりを持つことが出来ました。
この日以来、毎週彼女と被る講義が本当に好きになりました。
ただ週に一回の限られた時間、彼女に自分をアピールしなければととにかく必死でした。
講義の時は絶対に彼女の隣の席を死守するんだという思いでいっぱいでした。
彼女の隣の席につき、授業の始まる前や終わった後には彼女を笑かせることが出来るような話をしようという気持ちで毎回の授業にのぞみました。
最初の方はかなり不安でしたがたくさん笑わせることもでき、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。
そんな日々が1か月ほど続き、少しずつ彼女から話を振ってくるようになりました。
彼女から話を振ってきたときに意識をしたことは聞き上手に徹することです。
話したいことを全て話してもらえるように相槌や返答をかなり意識しました。
そんな中、ある時彼女から別れたという話を聞きました。
その話を聞き、すぐに友達のもとへ行きました。
友達はとても肩を落としており、落ち込んでいました。
別れの理由を聞くと彼女に別に好きな人が出来たとの事でした。
落ち込んでいる友達を励まさないといけない、それとは別にもしかして別の好きな人は自分かもしれないと考える自分がいました。
その日の夜、彼女から着信がありました。
内容は告白でした。
友達のことがすぐに頭に浮かびましたが、何よりうれしくて交際することにしました。
略奪するのは本当に複雑なことだなと、若いながらに感じました。
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